フルマラソンでの達成感は、これからの人生に必ず役に立ちます

初めてのフルマラソンは、どうでしたか?自分の思うタイムでゴールできましたか。完走はできたのでしょうか。

走り終えた今、皆さんの手の中には沢山の成果が入っている事と思います。走り切れた自分を、思いっきり褒めてあげてください。

日々練習を重ね、辛くてサボった事もあったと思います。その度に自分を奮い立たせて、また走りだしたり。レース中には、足が痛くて辛くいし、歩きたい衝動に駆られるし、葛藤と闘い「何でマラソンなんか、走るって言ったんだろう。最初で最後のチャレンジだな。」と自問自答しながら走った人もいると思います。

私も走りながら、色々考えました。亡くなる前に「走馬灯のように駆け巡る」という言葉が有りますが、まさにそんな感じで、過去の記憶が次々と頭をよぎるのです。調べてみると、亡くなる前は脳が一時的に活性化され、精神状態が高まるから、走馬灯がよぎるそうです。マラソンも、エンドルフィンの作用で精神状態が高まるので、同じ状態になります。この体験で、過去への感謝、反省、後悔などいろんな感情が溢れてきました。走りながら泣けてくるのは、辛くてと言うより、感謝の気持ちが溢れたからでした。今こうして走れている事の幸せを感じながら、一歩一歩踏みしめて走っていました。

「もうだめだ!」を、何度も繰り返し、たどり着いたゴール。あなたも、ゴールの瞬間に今までの辛さが一瞬にして感動に変わったのを、体感しましたか。

走った後を振り返ると、そこには自分が走った足跡が残っています。それは自分が走ったという証明です。途中で歩こうが、止まろうが、ここまで来れたのは、事実なのです。私は、フルマラソンを完走しました。そのことは、今でも私の誇りです。特に良いタイムでもありません。でも、完走したのは事実です。以前は42.195キロの距離は果てしなく遠く感じたものですが、今ではさほど感じません。それどころか、「走れば5時間、歩けば7時間でいけるな!」などど、すっかりマラソン中毒者の考えをするようになりました。

マラソンでの達成感が、今の私を支えています。「あれだけ辛かった、フルマラソンを完走出来たのだから、私に出来ない事は無い!」といつも思う事ができるのです。仕事においても、人生においても、粘りがでて、諦めなくなりました。

マラソンと生きるという事は似ていると思います。走る道中、楽しい時もあれば、苦しい時もある。長い人生にも同様の事がいえると思います。この先もっと辛いことがあるかもしれないけれど、きっと乗り越えられると思っています。何の根拠もありません。ただ、フルマラソンを完走しただけです。たったそれだけでも、自信を持った人間は、物事を成功へ導く、無限の力を持っているものだと思います。

自分の人生の角度に変化をつけたいのなら、一度フルマラソンで達成感を味わってみてください。その体験がきっと、あなたを後押ししてくれ、人生観を変えてくれると思います。

ドキドキ大会前日!どう過ごせばいいの?事前準備~エトセトラ

ついに大会前日。今日1日、どう過ごしていいのやら!?舞い上がっていてはいけません、粛々と準備をしましょう。

まずトレーニングです。ウォーキング、ジョギング、ランニングをそれぞれ10分こなします。あとは、ストレッチを充分におこないます。トレーニングは、これで完了です。物足りなくても、今日は我慢するのです。

次に食事です。3日ほど前から、糖質中心の食事に切り替えているので、大会前日も同じように、糖質中心にします。追加として、食物繊維の多い食べ物は腹痛の原因になるので控えます。便通が悪くてレース時に便意が生じる事を心配するのであれば、2日前までなら食物繊維の多いものを食べてもいいと思います。あまり頑固な便秘の場合は、薬などであらかじめ調整しておくことをお勧めします。

お風呂について。疲労回復、血行促進、スムーズな入眠に効果が有りますから、必ず入りましょう。交感神経を刺激しないように、ぬるめのお湯にゆっくりつかりましょう。

睡眠について。7~8時間の睡眠を確保しましょう。大会当日の起床時間は、スタート時間の4時間前になりますから、10時スタートの大会であれば、当日6時起床。前日22時就寝となります。緊張して寝付けなくても、目をつぶって安静にしていれば、ある程度の疲れは取れます。まずは、決めた時間に寝床に入りましょう。

大会当日の準備をする。大会の受付票、ウエア上下、靴、着替え、レース中の軽食、絆創膏などの救急セット。健康保険証は急病、怪我の時に必要になりますので、必ず忘れないようにします。会場では、手荷物預かり所などが有りますが、大変込み合うので、出来るだけコンパクトにまとめて、持っていくようにします。

上記が、前日にやっておくべきことになります。後は、リラックスしてゆっくり1日を過ごす事です。寝すぎたりせず、いつもと同じ時間に起きて、起床リズムが狂わないようにしましょう。

大会当日は、腹痛防止の為、栄養ドリンクや、冷たいものを飲まないようにします。トイレが近くなるので、コーヒー、紅茶などのカフェインが入った物を飲まないようにします。朝食は、白米、パンといった、消化が良い炭水化物を選んで食べます。水分補給については、あまり飲み過ぎると、トイレが近くなりますが、当日朝は緊張もある為、水分不足になりがちです。朝起き掛けに1杯の水を飲みます。この時、冷水は腹痛の原因になるので避けます。その後は、ひと口飲みで、数回から数十回にわけて、時間をかけて飲みます。こうする事で、体内に十分水分がいきわたります。これは、スタート直前までやってOkです。トイレが近い人は、飲む回数を加減しても良いです。

出発は、早朝になると思います。早朝とスタート時では、気温の差がかなりあります。ランニングウエアの上に、ジップアップ式の上着を着るなどして、保温に努めましょう。特に、足の冷えは故障につながりますので、ジャージなどで足全体を暖めましょう。

大会までの練習、長距離練習は2週間前までに終了するべし

大会が近づき、体作りも最終仕上げの段階に入る頃、注意するポイントがあります。それは、トレーニングの量をコントロールする事です。良いタイムが出したいばかりに、オーバートレーニングで体調を崩してしまっていては、今までの努力が水の泡です。大体、大会の一月前から、トレーニングを減らしていくのが良いです。毎日トレーニングする人と、3日に1度トレーニングする人とでは、トレーニング内容に差が出ますが、ここでは、3日に1度のトレーニングの場合、を想定して書いてみます。走り方は、①時間を決めて走る②距離を決めて走る、この2本立てで行います。

大会4週前までは、①1時間30分~2時間、②15キロ、で走ります。

大会2週前までは、①1時間~1時間30分、②10キロ、で走ります。

大会前日~2週間前までは、①30分、②5キロ、で走ります。

2週間おきに、トレーニングを減らしていきます。どうしても、20キロを超える長距離が走りたい場合は、最低でも大会2週間前までには終了してください。普段の生活をする分には、2週間あれば疲労感は感じなくなります。しかし、大会を控えている場合は、出走した時に、足が重い事にすぐ気付く程の疲労が残っているのです。疲れていないように見えて、出走後2週間以内では、長距離走の疲労は解消されない事を理解しておきましょう。

私も過去に苦い経験があるのですが、タイムを上げようと、事前に本番と同じ距離を走って、体に覚えさせるつもりで、大会1週間前に走りました。まさか普段から走っているし、1週間もあれば疲労は解消されると思っていたのです。その考えは、非常に甘かった!!大会直前に軽くジョギングするだけでも、足が鉛の様に重いのです。タイミングを逸脱したアイシングは効果も無く、結局筋肉痛が残ったまま、大会に出ることになりました。結果は散々で、途中の関門を通過出来ずにリタイアとなりました。あれ以来、2週間を切ってからの長距離練習はしなくなりました。トレーニング不足から来る不安感に惑わされても、大会直前はじっと我慢で、軽いメニューをこなしながら、体調を整える事に専念しましょう。

①②③の流れでトレーニングしていきながら、疲労を溜めず、現状の体力を温存していきます。このメニューをこなして、疲労が抜けない場合は、運動時間、運動量を少なくしてください。ただし、全く運動を辞めてしまうと、走る感覚まで無くしてしまうので、毎日の運動は少しずつでも行ってください。体力を温存しようと、何も運動しないのは、逆効果になります。

食事の取り方は、レースの3日ぐらい前から始めます。食事の量は変えないで、糖質の食べ物を増やします。1日の食事量の7、8割を、パン、米、うどん、餅にします。栄養バランスが偏るので、野菜、フルーツをとりつつ、ビタミンや鉄分のサプリメントを利用すると簡単です。食べなれていない食品や、生ものはお腹を壊すことがあるので控えます。マラソンでは、疲労物質を分解する為に、肝臓を酷使します。禁酒して、アルコールも控えましょう。

家族や恋人、友人をマラソンに巻き込んでみる

マラソンをするならば、仲間がいる方が、感動を共有できてよりマラソンを楽しめるのは、前にも書いた通りです。ついに、自分がマラソン大会に参加すると決めた人は、自分が中心になって、家族や恋人、友人もマラソンに巻き込んでみませんか?一緒に走る仲間でも良いですし、自分専属の応援サポーターになってもらうのも良いでしょう。独りで参加するより、断然楽しいイベントになりますよ。

フルマラソンは、10キロランなどと違い、給水、栄養補給が必須になります。大会側で、水、ドリンク、塩、バナナ、チョコなどの給水、栄養補給のサービスは有りますが、完全ではないので、自分が食べやすいもので、必要な量を準備する必要があります。独走の場合は、必要なもの全てを、自分で持って走ることになります。走り慣れた独走ランナーは、手慣れた感じで荷物を持って、軽快に走っていますが、初心者の場合は、そんな訳にいきません。

そこで、活躍するのが、専属サポーターです。自分の必要なものを、必要なタイミングで渡してもらいましょう。地図などで、事前に打ち合わせしておくと良いです。トップアスリートなどが参加するような、公式大会などの場合は持ち込み規制があるようなので、事前に確認しておくことをおススメします。

その他の市民マラソン大会や、海外のマラソン大会などでは、自由に沿道から給水、給食のサポートを受ける事ができます。仲間が沿道でバナナを持って待っていてくれると、心強く本当にうれしいものです。時には、見知らぬ他のサポーターが、食べ物を差し出してくれたりします。普段であれば、見知らぬ人から食べ物をもらうことなど無いのですが、マラソン大会の空間では抵抗なく、受け取れるから不思議です。同じ空間で42.195キロにチャレンジしているから、ランナーもサポーターも皆仲間意識が高まって、その様に感じるのだと思います。

マラソンとは、独りで走る競技ですが、大会を作り出しているのは、あなた一人ではありません。一緒の空間でチャレンジする全てのランナーと、応援してくれる人がいるから、あと少し頑張ろうと思えるのだと思います。マラソンに出会って、沢山の人との出会いや、人や物に感謝する事が増えたのではないでしょうか。この様な場所に、家族や恋人、友人を連れて来て、感動を分かち合うのは素敵なことですね。

多くのマラソン大会で、フルマラソンの他に、10キロラン、4キロダッシュ、2キロウォークなど、体力のない子供でも参加できる、比較的参加しやすい種目があります。走り慣れたパパさん、ママさんは、まだ走れない赤ちゃんをベビーカーに乗せて走る人もいます。そのような光景を目にすると、心が和みます。

大人になるにつれ、自分ひとりの時間が増えて、家族や友人と一緒に過ごすことが減った人も多いのではないかと思います。この機会に、家族や恋人、友人を巻き込んで、マラソンの面白さを共有しながら、絆を深めてみるのも良いと思います。

どこのフルマラソン大会に出場するか吟味しよう

これまで、地道にフルマラソン完走に向けて努力してきました。もうそろそろ、フルマラソンを体験してもいいかと思います。どこで参加するかを、考えていきましょう。10キロランニング大会同様に、インターネットで大会を検索できます。初心者の場合、やはり近隣での大会が、事前準備などを考えると、参加しやすいと思います。

ここで注意したい点は、制限時間です。10キロやハーフマラソンに比べて、関門が多いので、各関門の制限時間が、自分の走りでは明らかにクリア出来ないという大会は、避けるべきです。大きな道路を封鎖して開催している場合は、その後の道路解放が迫っているので、関門の制限時間がとても早い場合あるのです。国内では、車道も歩道も幅員が狭く、迂回道路も少ないので、マラソンの為に長い時間道路を封鎖できない為、関門の制限時間が、厳しくなっています。

私の場合は、初海外旅行で、初マラソンを体験しました。場所は、オーストラリアのゴールドコーストです。出場するマラソン大会を探していた時に、たまたま友達が、海外マラソンツアーに参加する直前だったので、思い切って便乗したのです。海外であること。費用がかかる事。長期休暇を取る事。と、たかがフルマラソンの為に、いくつもの犠牲を払うことに、抵抗はありましたが、それでも参加を決めたのは、「ゴールドコーストなら完走できる!」という言葉でした。

その理由は、制限時間にありました。ゴールドコーストの制限時間は6時間30分で、関門の制限時間はありません。制限時間を超えると、完走と認められませんが、走る意志さえあれば、歩道を走らせてくれます。ちなみに国内の大会では、制限時間は5時間30分~7時間程度で、複数の関門にも時間制限があり、関門の制限時間に間に合わなあった場合は、その場でリタイアとなり、強制終了させられます。

自分の実力では、国内の制限時間をクリアして、走り切る自信は全くありませんでしたが、ゴールドコーストなら可能性があると思い、無謀とは思いつつ参加しました。結果、5時間30分でゴール出来ました。車道も、歩道もとても広く、道もほとんど平坦だったことと、関門の制限時間が無かったことで、自分のペースで走る事が出来たからだと思います。

国内より海外の大会の方が、初心者向きの制限時間が多いように感じます。欲張りかもしれませんが、初回で完走も感動も手に入れたければ、海外の大会を候補にするのも良いと思います。とはいえ、海外ですので、思い立ったからと言って、毎回行けるものではありませんし、海外だけを推奨しているのではありません。国内でも、大会によって制限時間にかなりの差があります。関門の制限時間が緩いところもあります。山岳部、平野部によっても走りやすさが違いますので、その様な違いも比較しつつ、自分の参加したい大会を見つけましょう。自分の実力で、ギリギリ完走出来るかもと思える大会を選ぶことが、完走の秘訣になります。

さあ、どこではしりましょうか?

フルマラソンに挑戦する事を誰かに宣言する事で、腹をくくる

ここまで、フルマラソンを完走する為に、いろんな事を試してきました。自分なりに自信がついてきたのでは無いでしょうか。フルマラソンに向けての、あなたの頑張りを知っている人はいますか?それとも内緒で始めましたか?フルマラソンにエントリーして、残すは走るばかりになった今 、折角なのでフルマラソンに挑戦する事を誰かに宣言してみませんか?

これまで、マラソン練習を継続させるために、辛い事はそのままにして、楽しいことをセットした練習をする事で、楽しい事に意識を向かわせ、マラソンの辛さを軽減させて練習してきました。楽しくトレーニングする事は、良いイメージで長距離走を体得出来るので、良い結果が出ます。ですが、実際の大会では、辛い事が沢山あると思います。例外なく自分にも試練の時がやってきて、途中でリタイアするかもしれません。人間、臆病風が吹くと、どれほど頑張っていた事でも、挫折する事があります。そうならない為に、宣言するのです。

宣言する事を、コミットメントと言います。このコミットメントは、心理学的に良い効果を発揮するのです。人間の脳は、口に出したことを、実現しようとします。まさかと思う人もいるでしょが、本当なのです。宣言したことによって、脳が活性化され、宣言した通りになるように、自分の行動が成功するように変化していくのです。もう少し分かりやすく言うと、他人に宣言した手前、いい加減な事は出来ないぞと言う気持ちや、やってやるぞと言う意気込みが、成功を生み出すのです。例として、強い選手が「優勝します」と言って、本当に優勝するケースって結構あると思いますが、これもコミットメントですね。弱い選手が「優勝します」と言った場合でも、優勝する可能性が、飛躍的にアップするのです。

これは、実力の有無が、優勝を導くのではなく、コミットメントしたことが、自分の逃げ道を無くし、目標に向かって
進むしかない状況を作り出すので、良い結果を叩き出すことになるのです。ここまで来たら、絶対完走したいですよね。是非みんなの前で、フルマラソンに挑戦することを宣言しましょう。誰に宣言しても良いのですが、出来るだけ多くの人に宣言をきいてもらいましょう。

宣言する言葉の選び方ですが、肯定的で、かつ具体的な言葉を使います。例えば、「フルマラソンを5時間で完走する!」などと宣言すると、5時間という数値が具体的なので、脳にインプットされやすく、成功率が上がるのです。否定的な言葉はNGです。例えば、「フルマラソンを6時間超えないように完走する」では、脳は、6時間を超える事をイメージした上で否定するので、逆効果になります。初挑戦の今回だけでなく、次回以降もコミットメントを利用すれば、完走タイムを上げていくことも可能です。一緒に走る仲間がいれば、仲間同士でコミットメントする事で、全体のモチベーションがあがり、より充実したマラソンとなるはずです。

行きはマラソン、帰りは電車で小旅行を楽しむ

道路でマラソンの練習をする事に慣れてきて考える事が有るとするなら、帰り道の辛いことではないでしょうか。道路で42キロを走ろうと思うと、21キロ地点で折り返して帰ってくるパターンで、スケジュールを立てませんか?私も、途中で折り返して走っていたのですが、慣れとは恐ろしいものです。最初の頃は、走り切った満足感で気にならなかったのですが、長距離練習の回数が増えるにつれて、折り返し後半のランニングが辛くなってきました。「行きはヨイヨイ。帰りは辛い。」疲労感に加えて、お馴染みの景色に慣れが生じ、ときめかなくなった自分がいました。

そこで思い立ったのが、往路はマラソンで行き、復路は電車やバスなどで帰って来るというプランです。こうすると、今まで走った事の無い場所まで走る事ができます。マンネリ気味のランニングルートに、新しいパターンが加わったことで、またヤル気が復活しました。日帰り旅行雑誌を片手に、トレーニング場所を選定するのは楽しいものですよ。景色の良い所で走りたいと思うけれど遠いという場合などは、往路から電車で出発し、走りたい場所で下車して走る方法もあります。走りきったら、復路も電車に乗って帰れば良いのです。

長距離を走る場合は、最低3か月前からトレーニングを積んでいくのが良いと思います。初めての場合は、その倍の6か月前から準備するのが、体に無理がなく良いと思います。そして、トレーニングは長距離をガンガン走ると言うよりは、短い距離でも良いので、出来れば毎日、無理なら週に何回と決めて、とにかく続ける事が大切なのです。

スポーツにおいて、辛いことを乗り越えてこそ、その先に成果が有るという考えが定着しています。その考えは、素晴らしいと思います。しかし、辛いことを乗り越える努力ばかりでは、いつか疲れて辞めてしまうかもしれません。ここでは、自分が決めたマラソンを完走する為のトレーニングを模索しているのですから、辛い厳しいばかりでなく、楽しい面白い事もどんどんやっていけばいいと思います。

片道切符を持って、マラソンに出かける場合の一番のおススメは、「温泉プラン」です。温泉がなければ、銭湯もいいですよね。走った後の温泉は、体のケアにも有効なので、ランナーにとっては最高の組み合わせだと思います。大手出版社から、地域別の日帰り温泉マップが、毎年発行されています。この様な旅行雑誌を活用して、マラソン小旅行を計画するのも楽しいと思います。

長距離の練習は、孤独との戦いになります。特に一人での練習は、続けていけるかが、大きなカギとなります。旅行にこだわらず、おいしいものを走って食べに行くとか、走り切った自分へのご褒美をセットにして、楽しみながら走ってください。時に走る事が目的ではなくて、旅先のお楽しみが目的になる事もあるかと思います。不本意ですか?いいえ、それでいいのです。走り続けている自分がいるのは事実なのですから。細く長く続けて行くことが大切なのです。

ランニング仲間を見つける事で、達成感もアップする

あなたには、ランニング仲間がいますか?マラソンは、自分との戦いです。常に独りで走り続けるものですから、特に仲間などはいらないと言う人もいると思います。

42.195キロを走破するためには、孤独や、辛さに打ち勝ち、あきらめない自分が必要です。どんなに辛くても、黙々とやり続けていれば、必ず達成できます。そしてゴールした瞬間の感動は、走りきったものだけが味わえる達成感です。この感動を独りではなく、誰かと共有できたらもっと素晴らしいと思いませんか。マラソンは、孤独の集合体だと思います。たった独りで成し遂げたと思うことも、実は誰かの走る姿に後押しされて、成しえたのかもしれません。

マラソンの良い点は、長距離を走り続けるという、スケールの大きいスポーツなのに、誰でも体一つで始められる手軽さだと思います。簡単に完走できるものではありませんが、それでも、マラソン大会を開催すれば、何千、何万人の参加者がいるのですから、魅力のあるスポーツだと言えます。

競技を目的としない市民ランナーの場合、誰かと競うと言うよりは、自分自身の体力の限界と、精神力と向き合って勝ち取るスポーツです。コミュニケーションを取るのが苦手な人でも、他人に気を遣う必要がないので気楽で良いという理由で、マラソンが好きな人もいます。

マラソンは個人戦ですので、自分のペースでゴールを目指せば良いのですが、思い通りに走れず、失速することもあります。良い時も悪い時も全て自己完結です。良い結果でも、悪い結果でも、黙々と感動をかみしめるのです。それも一つの楽しみ方ですが、時には仲間がいたら楽しいと思いませんか?興味の無い家族に話してみても、暖簾に腕押しですが、仲間とならマラソン談義にも花が咲きます。

独走にこだわる人は、それで良いと思います。独りで走り始めたけれど、独りで走る事にこだわりが無い人は、是非ランニング仲間を作る事をおススメします。仲間と出会うきっかけは様々で、全く周りにマラソンをする人がいない場合は、インターネットで探してみましょう。ランナー専用のコミュニティサイトなどを利用すれば、自分の興味にあった友達が出来ると思います。マラソン大会などを企画する大手会社が運営するサイトなどが有名です。

その他には、スポーツジムの交流会などを利用する方法があります。広報などを見て、地元のマラソンクラブを訪ねてみるのも良いかと思います。非営利で運営しているマラソンサークルも結構あるようです。申込みもインターネットで簡単に入会できます。普段は、フェイスブックで近況を報告したり、マラソンの話題で盛り上がったりしながら、月に1回程度、実際に集合してマラソンの合同練習をしているサークルもあります。

以外とランニング仲間を作るのは、簡単なようです。仲間がいる事で、自分のマラソン知識が増えたり、情報を共有できます。感動もみんなでシェアして、マラソンの奥深さを満喫するのも楽しいと思います。

時間に挑戦!5時間で行けるとこまで、走ってみる

距離の挑戦と並んで、体験してほしいのが、時間に挑戦すべく、長時間走り続けることです。

さて、42.195キロ走る事と、5時間走り続ける事を分けて説明しましたが、この通り実践すると、なんと!?2度も練習でフルマラソンを体験する事になります。それは、さすがに辛いですよね。この場合、やりやすい方を選んで、どちらかを実践すれば良いですよ。初心者でも上手く走れる人は、5時間で42.195キロを走り、見事2つのお題をクリアする人もいるはずです。人により、走る速度が違いますから、時間と距離を分けたトレーニングの方が、効果的だと思ったので分けてみました。
 
走行時間を5時間としたのは、早くゴールする人と、遅くゴールする人の中間点を選びました。おおよそ、5時間走り続けれれば、ゴール出来るだろうというラインです。この練習でのポイントは、走り続ける5時間ってどんな感覚なのかを、体験する事です。走る場所は、一般道でもグランドでも好きな所で構いません。5時間でどれだけの距離を走れるかが知りたいので、グランドや、ランニングコースのある公園を利用すると、距離を把握しやすいので良いと思います。

5時間に挑戦中は、どんなペースでも良いので、基本的に走り続けてほしいのです。疲れた場合は歩いても構いませんが、止まって休憩をしないでください。ただし、トイレ休憩はOKです。給水、栄養補給も止まらずに取ります。この様にずっと動き続ける事で、本番と同じ体験ができます。5時間走り続けた時の疲労感の出かたや、足の上がり具合なども、覚えておきましょう。また、途中でお腹が減ってくるはずですので、どの様なものが補給しやすいか、補給する前後でどれぐらい運動能力が変わるかを意識して摂取しましょう。走りながら食べる事で、気分が悪くなるのではと、抵抗のある人もいると思いますが、実際に食べてみると、いつも以上においしく感じ、改めて補給の必要性が分かると思います。また、補給のタイミングも掴めると思います。

距離と同様ですが、決して無理はしないでください。出来るだけ止まらない事を目標にしていますが、無理なら止まってください。走りは無理だけど、歩くことなら継続出来ると言うのであれば、全て歩いても良いので、5時間を体感してみましょう。

普段、意識せずぼんやり過ごす5時間と、走り続けることを意識して過ごす5時間の違いを感じて下さい。結果は、走ったか走って無いかの違いだけです。目に見える大きな変化はありません。最近、ただ一つ事を一生懸命にやり続けたことはありましたか?子供の頃、学生の頃には、がむしゃらに何かに取り組んだことがあったはずですが、大人になるとがむしゃらに取り組む機会も、時間も与えられなくなり、本当に大人しくなっていくものですね。

5時間で行けるところまで、走ってみましょう。久しぶりにがむしゃらに走って、どんな気分でしょうか。充実感や満足感でいっぱいであれば、それは走り切った証明です。

距離に挑戦!実際に42.195キロを目指して走る

体験する事って、とてもいいことだと思うんです。以前にも書いていますが、心と体に覚えさせることは、何かを達成させる為にとても重要だと思います
。例えば、私は自転車に乗れるのですが、これは子供の頃に何度もコケながら体得したものです。あれから、数十年経って、ほとんど自転車に乗ることはありませんが、今突然、自転車に乗る事になっても、ためらうことなく乗れると思います。これを読んでくださっている方も、きっと同じ考えではないでしょうか。

ここに、自転車の運転方法のマニュアルがあったとして、一度も自転車に乗る事無く、マニュアルを読破した人が、自転車を運転出来ると思いますか?答えは、「NO」だと思います。これは、自転車の運転を体験していないから、乗れないのです。自転車の運転のみならず、マラソンにおいても、同じことが言えます。人は、体で経験したことは、忘れないものです。この考えを利用して、実際に42.195キロを走って、体感するのが大切なのです。

実際に42.195キロを走るにあたって、注意しておくことがあります。時間に余裕のある時に実施し、翌日はお休みの方がベストだと思います。未知の距離を走ることで、体にかなりの負荷をかけますから、翌日に過密スケジュールを入れることの無いようにしましょう。

次にどこで走るかです。私の場合は、距離を測るのを出来るだけ簡単にしたかったので、国道1号線を走りました。国道1号線は東京から大阪を結ぶ道路です。自分の居住区辺りの道路では、歩道も十分に確保されていたので、車どおりは多かったのですが、走りやすいと判断したためです。そして、距離の計測ですが、国道1号には1キロごとに、距離を示す看板があります。上りであれば、「東京まであと○キロ」、下りであれば「大阪まであと○キロ」と掲示されています。そのおかげで、スタート地点の距離を覚えておくだけで簡単に距離の把握ができ、走っている最中も、どれだけ走ったかの確認がすぐ出来るので、国道1号線はとても走りやすかったです。

運動競技場のトラックを利用して、走る方法もあります。一般道の距離の測りにくさに比べると、一周400メートルなので分かりやすく、105週半すれば完走となります。距離は掴みやすいのですが、景色などが単調になるので、その単調さを乗り越えて、走り続けることが出来るかがポイントですね。

時間を気にせず走るので、スタートは出来るだけ早朝が良いと思います。スタートが遅いと、日暮れになることもありますので、余裕を持って初めてください。また、途中で疲れたり、異変を感じたらやめましょう。走り切れていなくても、20キロ走れていれば成功です。フルマラソンの半分の距離を走れたのですから、あと半分走ればゴールできます。距離の感覚は、体が覚えてくれました。大切なのは、未知の距離を体験した事です。目標に届かなくても、自分の走れた距離を承認しましょう。ヤル気になったら、もう一度チャレンジすればいいのですから。